区別という名の『分離』  その5

「お~い、生きているかい?」
日本にいる姪っ子から、メールが入った。
ナニゴトかと思ったら、西ベンガル州での
列車事故が、多くの死者を出ているという。
日本にいる家族は、インドのどこで事故やテロが
あっても、わたしが近くにいると思っている。
東京に出した娘を、都会で犯罪ニュースが流れるたび
心配する、地理のわからぬ田舎の親と一緒だ。
部屋に入れられた朝刊を開くと、クラッシュした
列車が一面トップに載っていた。
日本と違って被害者は、重傷者含め遺体だろうと
普通に掲載されるから、その惨事が痛いほどわかる。
まさに、その日の予定は夜行列車で揺られることになっていた。
いつまで続くことやら、この 『』 のレッスンは。
画像

タイタニックを観て寝付けないとき、なにやら高尚な
意識を感じた。Mr.秘書が有機体と化し、重要な
用事を思い出させてくれたとき、ハッキリした。
「どこにでもサインを送ってるから、見逃すなよ!」
と、天から聴こえてきそうだった。
わたしたちは、もはや地球規模でタイタニック号に
乗っている
かもしれないと、臭いものにした蓋を
そろそろ取らなければなるまい。
腹をくくって、重要な課題に取り組め、と。
これほど、わたしを憂鬱にさせることはない。
曖昧は楽だが、あとでとんでもないしっぺ返しがくると
ちょっと前に、エラそうに言ったのはどこの誰だ!?
インドに着いた直後、立っているヴィシュヌ神に
「問題に立ち向かえる」勇気をもらったじゃないか。
その後 『タイタニック』 を観ることで、明確な課題を
与えられたじゃないか。
多くの『』の場面と触れることで、
「変化」は突然くることを学んだじゃないか。
あとはその因と、今後の対策を考えることではないのか?
こうなった一番の要因は、人が 『分離』 する方向に
動いているからだと、多くの人は言う。
この分離志向が人類を滅亡へと向かわせるのだと。
統合医療から専門医療になることで、
ますます解明されなくなった病気の本質。
核家族化により世代を超えた伝承が薄くなることで
失われつつある、人としての品性。
なによりも、家族が他人と化す時代になっている。
このまま止めどなく進んでいく先は、想像すれば
誰にでもかわることだろう。
                       つづく

投稿者: givinghands

2007年3月からスタートしました、特定非営利活動法人 ギビング・ハンズ オフィシャル・ブログです。 このブログはおもに、ギビング・ハンズのスタッフや支援者が、インド・ネパールなどへ赴いた際の 活動報告や視察模様などを、写真アルバムを中心にお伝えする目的で作成しました。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です