天の采配 その12 【子ども】

グルジへの寄付とホーマ儀式を終え、ホッと一息した翌日、
ノコム孤児院へチャイルド・サポーティングに向かった。
今回は3人の子どものスポンサーである。
姉妹2人と男の子をインタビューした。
昼食時、子どもたちにフリーミールを施そうと
ホールに入るや否や、わたしたちの座った椅子
のまわりを取り囲むように子どもの群れが出来上がった。
   ん、ん、なんなの・・・
すると、一人ひとりが小さく折りたたんだ紙を
握ってわたしに差し出してきた。
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開いてみたら、どうやら手紙のようである。
が、当然、現地語。読めない。
で、ガイドが翻訳。
「マダム、津波、大丈夫ですか?
        日本の皆さん、頑張ってください」
的な内容。
日本でも今回の災害で、震災孤児が生まれているが
この孤児院での子どもは、災害でなく、普通に孤児となった。
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シャランクマール 4歳
この子の母と兄弟姉妹は、原因不明の病気で次々と亡くなり、
小さな子を育てられない父親は物乞いをはじめた。
バザールで子どもを見世物にしてお金を乞うていた父は、
得たお金をお酒に費やしてしまっていた。
食事を与えられない当時2歳のシャランクマールは、
あまりの空腹から砂を食べはじめた。
それを見かねた通りすがりの人が、ノコム孤児院に
親子を連れて行った。まもなく父親は深刻な
大腸がんにかかり、病院で死を迎えた。
残されたシャランクマールには胃洗浄がなされ、
適切な治療を施したのち、ようやくまともな
食事ができるようになるまで回復した。
今ではノコムの提供する親和的ケアのもと、
他の子どもたちと戯れ、すくすくと成長している。
そんな境遇の子どもたちが、
~ まあ、父親代わりの理事シャクティヴェルに
            「書け」と言われたのであろうが ~
日本がどこにあるかもわからないのに、懸命に自分の
言葉で手紙を書く姿を思うと、なんとも複雑な気分になる。
実は今回、わたしも子どもたち(姉の子ども)のために
やらなければならないことがあった。
昨年12月、ある聖者に問うたことがあった。
その答えのついでに、
「そうそう、おまえの姉の子どもたちの健康のために
数箇所の寺院で祈祷をしなさい」
と言われた。
問うた内容は、まったく子どもに関係ないこと。
しかも、うちの子どもたちは、すこぶる元気である。
なのになぜ、親でもない「わ・た・し」がわざわざ
姉の子どものためにそんなことしなければならんのさ?
そう通訳のガイドに尋ねた。
聞かれたガイドだって「わからんなぁ」と。
まあ、「やりなさい」というのであれば、次回の渡印時
にでも、と思っていた矢先の震災。 → 放射線被害
   なるほど 年老いたわたしや姉の祈祷でなく
   若者である 子どもたちの健康 というわけね

と、自分なりに意味づけて、予定通り祈祷をすることにした。
そのひとつ、ティラントゥデヴァンクディというムーン寺院
を参拝した。そのときガイドが言った
「今年は特に、この『月』の寺院にみんなが来て、
                祈りを捧げたほうがいいのだ」
   なぜ?
「2011年という年の王様がMoon【月】だからだよ」
   ・・・
また、意味不明なことを言い出した。
いったい、その年の王様ってどういうことなのか。
また、年によって王様の惑星が決まっているだけでなく
どうやら政治を司る惑星と、それを遂行する官僚惑星
もあるという。
それはインド人が年のはじめに手にする国家の暦
パンチャンガに毎年示されている、古代から
言われている、その年の役者のことらしい。
                       つづき・・・

天の采配 その11 【ジャイアン・グルジ】

わたし:そろそろ我われは、今後のことを深く考えねば・・・
グルジ:考える必要など一切ない! ただ、従うだけだ
わたし:そう簡単にできたらいいですが・・・
ブラフマリシ・ヒルのグルジのキャラクターは【強烈】。
機関銃のように話しをまくし立て、強引に導く。
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「わしは26年前に自分のグルジから、『未来に起こる
大惨事のことを、誰も信じまいが、それでも言い続けよ』

と言われたから、それに従ってるだけだ。
こいつなんか、何回も聞いているくせに未だに信じちゃいない」
と、グルジはガイドをたしなめた。
が、ガイドにも言い分がある。
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道中、警察にもチェックされず、無事ブラフマリシ・ヒルに到着。
我われの顔を見るや否や、ヒルの皆が激しく話し始めた。
アメリカに渡っていたグルジの弟子、ラダマも昨年
帰国しており、2年ぶりに再会した。
彼女は以前スリランカに住んでおり、信奉している当時の
グルジから、ブラフマリシ・ヒルのグルジを紹介されたのだと。
その縁なのか、我われがここに来る前にグルジは
スリランカに渡り、『津波被害を防ぐホーマ』を
施しに行っていたらしい。
スリランカでも、今後起こりうる津波を怖れての祈祷だと。
我われが到着してもグルジは日本の状況など一切聞かず、
今後、世界で起こるであろう災害を一つひとつ説明していた。
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ともあれ夕方、頼んでおいた日本国のためのホーマ儀式を
ヒルの頂で滞りなく行うことができた。
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で、ガイドの言い分。
「本来、聖者たるものは恐怖を煽って人を脅すものではない。
ただ静かに瞑想し、言葉少なく、だまって事態を収拾するのが
役割りだろ?
ボクはここのグルジの存在自体の偉大さは認める。
しかし、やり方は気に入らん。それがボクの意見」
   で、それをあなたはグルジに伝えたのか?
「もちろん。だから、いつもグルジとは討論になる。
ボクの評価は、未だに100点満点中 10点だからね!
しかし、どう思う? もし君が医者だったら、ガンに罹った
患者に『余命幾ばくかで、あなたはもうすぐ死ぬ』と伝えるか?
医者たるもの患者の最期まで平和に過ごせるよう配慮するだろ?」
という態度のガイドを、コトあるごとにグルジはつつく。
確かにガイドの言い分もわかる。
だた、グルジは常に「わしはあくまでも、この丘の管理人だ
グル(導師)=聖者ではない」とも言っている。
また、チベット仏教の例を出しながら
わたしの意見もガイドに伝えた。
人が死を迎えると仏教では、49日のバルド(中間状態)を過ごす
と言われている。そのとき死者の魂を 『解脱』 へと導くために
あらゆる神々がバルドに現れてくる。
はじめは平和の神、寂静尊が現われ、やさしく我われを導く。
しかしそれで気づかない魂には、次に恐怖の神、憤怒尊が登場する。
その様(さま)は、100の嵐と100の雷、そして100の豪風雨
が、いっぺんに誰もいない真っ暗闇に踊りでたかのよう
だと
表現されている。
それでも悟れない魂には閻魔大王が登場し、生前の悪業が
並べ立てられ、裁判官さながらに悪事を責め立てられる。
・・・このように、魂のレベルによって、気づきを与えられる
  手法が変わるのだ
、とガイドに説明。
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よって、ここのグルジのような、ひたすら人の迷惑など顧みず、
強引極まりないキャラクターが、現代人には必要なのだと思うと。
だからこそ、前のグルジ(タライヤッティ・シッダ)は、多くの
先輩弟子を差し置いてまで、この元映画監督を次期グルジ
候補として選んだのではなかと思えてならない。
次期グルジ候補に、未来の世界大惨事を述べ伝える
使命を果たせる魂を選ぶとしたなら、メディアに精通している
このアンナイ・シッダ・グルジほど適した人はいるまい。
人を振り回すグルジに、いつもアタフタしているガイドには
釈然としないようで、わたしの説明にも苦虫を潰した
顔をしていた。
わたしにとっては、グルジのキャラクターがしっくりくる。
なぜなら、マッタクもって “ジャイアン” と呼ばれている
自分を見ているようだから。
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「15日から3日間、聖なる森でホーマを施すが、
              おまえも当然、参加するよな!?」
   グルジ、そんな急に言われても予定があります
「どんな予定だ?」
   え・・・ 寺院をいくつか廻らないと・・・
「寺院? そんなのただの石の集まりだ」
   ・・・わかりました、では “リスケ” してみますので
「は? おまえはボスだろ! 即 ここで決めなさい」
と・・・ 一事が万事、こんな調子だ。
そう言われて、素直に従うタマでないわたしは、
一日じっくり考えることにした。
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この決断が、日本国の大いなる助けになると思いもしないで。
                      つづく・・・

天の采配 その10 【バランス】

むかしむかし、ハランニャ(Hiranya)という王様がいた。
このキングは自身のプールヴァプンニャ(過去世の功徳)
によって、シヴァ神にあることを懇願した。それは
「一生涯のうち、わたしを殺すものが現れないように!」
それは、どんな人間も、動物も神でさえも。
また、王宮の内でも外でも。
さらに、昼でも夜でも。
この願いをシヴァ神によって叶えられたハランニャは
すべての生命体を支配し、傍若無人な絶対王制を敷いた。
民はハランニャの恐怖に苛まれながらの暮らしに
耐えられず、ヴィシュヌ神に懇願することにした。
シヴァ神の懇願で得たパワーでやりたい放題の
ハランニャを封じ込めるには、それ以上のパワー
と智慧が必要とされた。
そこでヴィシュヌ神はナラシムハ(Narasimha)として化身した。
その形(なり)は、人間と動物と神が合体した生き物である。
そして、昼でもなく夜でもない夕方6時に、王宮の内でも
なく外でもない境界線上で、暴君ハランニャを捕まえ
人間でも動物でも神でもない姿で彼を引き裂いた。
これで民は平和に暮らせると大喜びしたのも束の間。
暴君ハランニャの、悪鬼極まりない血液に一滴でも
触れた者は、その血に染まって悪鬼となる

それはヴィシュヌ神にも現れた。第二のハランニャ
と化したナラシムハは、さらに民を傷つけることに。
民はホトホト困り果てた。
そもそもの原因はハランニャの願いを
叶えたシヴァ神にある。
どうか、この責任を取ってください
と、シヴァ神に迫った。
シヴァ神はこれを受け、どうしたものかと智慧をしぼった。
そこでシヴァ神はサラベーシュワラ(Saraveshuwara)となった。
その化身した姿は、ナラシムハ同様、人間と動物と神、
そこに鳥の要素が加わり、悪鬼と化したナラシムハを捕らえ、
悪の要素のみ取り除き、オリジナルのヴィシュヌ神に戻したとさ。
                         おしまい

この話しにあるように、神であるヴィシュヌでさえも
悪鬼極まりないハランニャの影響をもろに受けて暴れた。
南インドはどちらかというとシヴァ神信仰が強いので、
ヴィシュヌ神の上をいくのがシヴァ神であるとされる。
よって、シヴァ神のレベルでようやく悪のエネルギーを
コントロールできるのだと。
まして言わんや、我われ凡人をや、だ。
いくらカーストとして階級が上の僧侶といえど、
いわゆる人間である。参拝者の願い事という『強欲』
を毎日受けているのだから、そのエネルギーに翻弄
されても不思議ではあるまい。
だから、インドでは凶星といわれる惑星(土星、火星、太陽
の寺院に行くと、ハランニャほどではないが、目を背けたく
なる僧侶の存在を目にすることも少なくない。
それもそのはず、悪徳はこれらの凶星に象徴され
人間が作った悪業は、これらの寺院で浄化されるのだから。
その波動を誰が引き受けるのか? 最終的には
天であろうが、その橋渡しの役割りが僧侶である。
このルールで測ると、真っ赤な嘘をついた水元素の
僧侶こそ、日本の『曖昧』という業を引き受けて
くれたのだろうと。
水元素のティルワナイカーヴァル寺院に行った翌日、
インド新聞で日本の原発事故危険レベルが、
チェルノブイリ同様 『7』 に修正されたと知った。
     やっぱり・・・
先月からわかっていたことを、4月になって発表したとも聞く。
我われ民がつくり上げた政府と、今後も付き合っていくには
自身の「ありよう」を真剣に検討せねばなるまい。
その『バランス』は、まず自分から調えることだと。
                           つづき・・・

天の采配 その9 【真っ赤な嘘】

ガイドが、シヴァリンガの前で僧侶に川を見せてくれと
頼んだとき
「川は6ヶ月も前から干上がっていて流れていない」
と言われた。
そんなことはこの寺院を参拝して以来、聞いたことがない。
疑問をもったガイドが、マネージャーに確認してみたと。
「いや、川はちゃんと流れている。いやはや すまん。
あの僧侶は前から問題があって、手を焼いているんだよ」
という会話を、どうやらしていたらしい。
しかし、これも我われのカルマ(業)であることが
わかっているガイドは、その場では僧侶の嘘を甘受
あとでわたしたちに説明しようと思っていたとのこと。
だが、前述どおり、目の前に僧侶が現れてしまった!
この場面に至っては「黙っちゃおれん」と、問いただしに行った。
「なぜあなたは僧侶なのに、そんな嘘をつくのか?」
それに対して僧侶は
「わたしはあなたの僕(しもべ)ではない!」
だと。
この言葉に、保っていたガイドの理性は砕けてしまった。
実は、日本のために儀式を施している最中にも
間違った情報を流した別の案内人によって、
雌牛への供養の儀式を拝見することができなかった。
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その次にこれだと・・・
そもそも、なぜ「6ヶ月前から干上がっている」など
という、子どもじみた真っ赤な嘘を僧侶は付いたのか。
本来この寺院では、ヒンドゥー教でない外国人が、
シヴァリンガを礼拝するには許可がいる。
入り口ではそのことで、ガイドと僧侶が揉めていた。
ガイド「許可は取っている」、僧侶「証明は?」
ガイド「わかった、持ってくるから」と。
わざわざ時間をかけて許可証を取りに行ったガイド。
そのおかげで、わたしたち日本人は中に入れた。
ここまでは、ごく普通の成りゆき。
しかし、ここはインド。僧侶からしたら、
許可書がなくても「これでなんとか頼むよ」という
袖の下(わいろ)が欲しかったのだろうと。
が、素直に許可書を持参したガイドに、イジワルしたというわけ。
   これ 完全に日本のカルマですわ
そう伝えて、逆にガイドに謝った。
もう完全に、日本政府および今一番、民が怖れている
原子力発電所に関する情報を流す東電が嘘を付いて
いる
であろうことが、この【外応】ではっきりした。
つまり『欲』から出た、真っ赤な嘘という行為だ。
すべては鏡。 これが今の日本の実態。
いや、たまたま “とんでも僧侶” に出くわしただけ
と言えなくもないが、なぜ寄りによって「日本国」の
ための儀式で、2回も誤った情報を伝えられたのか。
わたしはいつも見ているから、ガイドはあえて川を
「見せてくれ」と僧侶に要求していなかったろう。
初めて見る友人がいた、ということが『嘘』が
暴露されるトリガーとなった。
すべてはシナリオどおりだと。
そもそも僧侶たるものの、こんな行為が許されるのか?
という疑問も出ようが、それは、参拝に訪れる信奉者の
資質を棚に上げて言うことではないように思える。
それは、嘘をつく日本政府と東電に、我われ国民が
責める資格がないのと同じ
だ。
                     つづく・・・

天の采配 その8 【用意された役者】

「インドに行く日が決まったので、
        ナチュロパティの病院を紹介ください」
と、中南米を行動拠点にしている友人からこの連絡が
きたのが、わたしの渡印日程が決まった直後だった。
   あら、ちょうどわたしもその頃インドですわ w
なんと奇遇にも、出発日が一日しか違わなかった。
「では今回は日本でなく、インドで会いませう」と約束。
その後、あの大震災が日本で起こった。
この状況でお互い渡印予定が遂行されるかどうか、
しばし流れをうかがうことにした。
結果、彼女とわたしは今、インドにいる。
はじめ大まかな日程しか組んでいなかった彼女は、
南に着いて様子をみてから、その後の行動を
決めることにしていた。
   ブラフマリシ・ヒルにだけは行ったほうがいい
と勧め、グルジに会うまでの日程をまず決めた。
その日が12日。 タミールナドゥ州の知事選挙前日。
例のごとく、まだ『大金 持ち歩き制限』がなされているとき。
とはいえ、皆さんから預かったグルジへの寄付金を
届けねばならぬ使命がある。しかも片道 4時間。
持ち歩く金額はインド感覚でいうと『大金』だ。
そこで、日本人である彼女と半々にわけて持つことにした。
まず、ブラフマリシ・ヒルに行く前に、水元素の寺院である
ティルワナイカーヴァルを参拝することにした。
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なぜなら今回の災害は、まぎれもなく『』の浄化だ。
であるなら、五エレメントのうち水元素の寺院だけは
抑えておく必要があると感じたから。
ホテルを朝一で出発し、寺院に着いた。
初めてこの寺院を訪れる彼女のために、寺院の説明をした。
南インドでは聖なる川と称されるカーヴェリー川
シヴァリンガ像の前まで引き込まれて流れていること。
その部分だけは、他が干上がっても決して水が途絶えないこと
を。
しかして、洞窟のような場所に鎮座しているシヴァリンガを
前にして、暗くてよく見えない川はどこかとガイドに問うた。
ガイドにも見えにくい川を、いつもは僧侶がランプを
灯して示してくれるので、そうしてほしいと請うた。
すると、今は「涸れている」らしく、「ない」ということだ。
なんだか言われている話とは違うが、しかたない。
帰り際に寺院のマネージャーに挨拶しに行こうと
ガイドに連れられた。
ガイドとマネージャーの話は現地語だったので
何を話しているのかまったく不明だったが、
わたしたちはただ、お礼だけ言ってその場を離れた。
寺院の門を出た途端、どこかで見覚えのある僧侶と
出くわした。するとガイドが近寄ってなにやら話をしていた。
1分もしないうちにその会話は、罵声音に変わった。
ガイドが珍しく大声をあげて僧侶に向かって叫んでいる。
野次馬がわんさか周りに集まる。
言い合いをしている2人の間を取り持つ人たち。
何が起こっているのか緊張して見守る日本人2人組み。
運転手だけがクールに、ガイドが乗り込む車を静かに走らせた。
   いったい どうしたの!!!
急いで聞くわたし。
「あぁ ごめん。冷静でいようと自分に言い聞かせたのに、
なぜ、寺院を出た途端、あの僧侶が目の前に現れたのか!
もう我慢ならなくて正気を逸してしまった。
ソーリー ソーリー 普段はこんなじゃないから」
初対面の友人に言い訳という前置きをしてから、
ガイドは事態を説明しはじめた。
友人がこの時期にわたしと同行することは、まるで天から
用意された役者のような役目があったのだと、後でわかった。
日本のカルマ(業)は、ここでも明らかにされることになった。
それは、昨年12月に廻った寺院での出来事同様だ。
実は、12月にもある聖者に
「日本は今後大変な災害に襲われるから、あなたは祖国のために
7つの重要なシヴァ神の寺院で祈祷するように」

と言われて寺院を廻ったとき、あの例の水害被害に遭った。
そのとき思ったこと。
   日本は今後「水害」にやられる が、なんとか乗り切る
これを昨年暮れに一部の方々には伝えたが、こんなに早く
【そのとき】が来るとは思いもしなかった・・・
                       つづく・・・

天の采配 その7 【シッダ業】

サワヤナムというシヴァ神の寺院に行った。
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なんでも「予期せぬアクシデントへの防御
のための寺院らしい。
そこには、漁師が海岸から掘り出したという
美しい像 スーブラマニラ神が鎮座している。
  ※シヴァ神の次男(カルティケィヤン、ムルガンとも)
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古代インドでは、度重なるイスラム教徒の侵略時に
ヒンドゥー教の神様の像をあちこちに隠したという。
ここ南インドの海岸沿いの寺院では、浜辺を
深く掘りさげ、埋め隠したのだと。
ムスリムの侵略がなくなり落ち着いたころ、
隠された像を元に戻す作業が行われた。
が、その際、どこに埋めたか知る者が世を去り、
忘れられた像が少なくない。
このスーブラマニア神もそのひとつである。
「見てごらん、この美しいままの像を。これが
ただ金属だけで創られていたら、何百年も経つ
間に海岸の塩分でダメージを受けていただろうね。
どうやって保たれたかって? それはあのフィジシャン
の作る薬と同じさ。ハーブを溶け込ませるんだよ
   なるほど! ハーブと鉱物=シッダ業ということね
以前から、2~3000年前に造られたという寺院や
像を見るにつけ、どうやってここまで綺麗に保っている
のかと思っていた。
むろん造ったのが人間業でないことはわかる。
やはり、すべて【熟知】している聖なる者が
これらの聖なる物の製作者であると思えた。
ひとしきり摩訶不思議な時を過ごし、今回の渡印最大の
イベント、ブラフマリシヒルのグルジに会いに行くべく
準備を整えた。
今、危機にある日本国のために、精霊の住まう山の頂で
ホーマ(護摩法)を施していただくために
なんでも15日からグルジは数日間、山を留守にするから、
その前に来なさいとの指示だった。
                         つづき・・・

天の采配 その6 【分相応】

昨日まで、朝、起きるとあった症状が、
薬を摂った翌日にはなかった。
鼻の内側の粘膜が炎症を起こし、
鼻をかむと血が混じる症状が。
それをフィジシャンに伝えると、
翌日も同じものを摂らされた。
また同じ感覚。手足がしびれる。
その間隔は一回目より早かった。
  ん~ この毒素が回っている感覚  
             なんともいえない
だがはっきり言って、今インドは夏。
花粉などない。
だから症状が改善されたように
感じるだけかもしれない。
かといって、ガイド周辺の臨床データも無視できない。
だから、身内の深刻な病人でさらに試してみることにした。
要は、このフィジシャンが実際アルケミスト
なのかどうかというよりも、少なくとも【毒素】
という 凡人には手出しできないシロモロを、
自由自在に操れる
ということに注目せねばならない。
本来この類いのモノは、それを熟知した専門家が扱う。
しかし、いくら専門家でも、神の領域に入り込む『命』の
分野となると、【人間】の【欲】を超える必要がある。
でないと、大火傷する怖れがある。
我われ人間が分相応に取り扱えるものを見極め
少しでも危険とあらば、触らないことだ。
それは核融合に対する姿勢にも言えよう。
原子力発電を利用しクリーンエネルギーを
生み出すという発想はいいが、地中にある
ウラン鉱物を利用するからには、毒素にもなる
鉱物を扱うアルケミストのような、聖なる真摯な
態度が要求されよう。
そのことが聖者の本には書いてある。
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アルケミストのバイブル『アガスティア聖者の本』
2004年12月、スマトラ沖地震による津波が、多くの
南インド海岸沿いの漁師たちを飲み込んでいった。
かろうじて助かった漁師のひとりがインド聖者に聞いた。
「なぜ我われ漁師が、こんな目に遭ったのでしょうか?」
聖者は厳かに応えた。
「それは、人間の【欲】から出た天罰
昔の漁師たちは、魚を捕獲する網目をわざと大きくしていた。
それは、まだ成長していない稚魚を逃がすためにだ
しかし、今はどうじゃ。 網目は小さく、どんな魚をも
容赦なく獲る。さらに海中で大きな音を鳴らして
魚たちを脅して一定方向へ追い込み、そこで
捕獲するという、卑劣極まりない行為じゃ」
こんな人間のエゴ丸出しに対して、
【天のバランス】が保たれるはずがない。
そう聖者に言われた漁師に、ガイドは聞いてみた。
「で、その後、あなたはどうしたのか?」
と。その漁師は、その後も変わらず
同じ方法で漁業を営んだと。
なぜなら、彼ひとりだけ昔のやり方に戻しても、
その他多くの漁師が変わらなければ、
自分だけ食べていけなくなるからだ。
悲しいが、それが現実。
そして同じことが繰り返される。
それが歴史に見て取れること。
こんなことを聞かされながら、どこに行っても
今回の災害話しが尽きなった。
天はいったいわたしに、なにを悟れというのか。
                  つづき・・・

天の采配 その5 【期が熟す】

「とにかく一回分だけ試してみなさい、明日の朝わかるから」
と、耳かき一杯分の薬をその場で飲まされた。
なんでも花粉症だけでなく、96種類のアレルギー
に効くという類いのシッダメディスン。
実際、この医者に花粉症という病名を伝えても
理解できないようで、ガイドが詳しく説明していた。
ようやく分かったらしく、2種類の怪しい粉を、
微妙な量 手のひらに載せられた。
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そこへ数滴のはちみつが加えられ、自分の指で
よく混ぜよと指示されてから摂った。
同じ薬でも、何と混ぜ合わせるかによって
効能が異なるようだ。この薬は『はちみつ』と
混ぜるとアレルギーに効くが、『ギー』を混ぜると
別の症状にいいのだと。
しばらく話をしていると、身体がチクチクしてきた。
   なんだか 身体がおかしい!
「でしょ! みて、摂ってすぐだよ」
待ってましたかのように、フィジシャンは笑った。
   これがいわゆる、毒というシロモノだな
わたしには そう感じた。
ほんのわずかな量を微細にコントロールし、
【毒】を【妙薬】に変え、即、ボディに反応させる神業
だからガイドの父は、たった一日で
歩けるようになったのだ。
こういう人はインドに山ほどいると聞いてはいるが
実際、お目にかかるチャンスは少ない。
現地人にとっては、どこにでもいる普通の人だから
別段、『凄い人』と 噂されることもない。
だから、【それ】が必要になって、期が熟した【その】とき、
適宜な【その】人に、巡り逢うことになっている。
そう、わたしに準備ができたときに、だ。
                 つづく・・・

天の采配 その4 【アルケミスト】

「この薬を作り上げるのに 3年 費やすんだよ」
    え、あなた自身が作ってるの?
フィジシャンは涼しい顔して「Yes」と答えた。
なんでも鉱物を溶かしたり、乾かしたり、
そこへハーブを加えながら何工程も経て
ようやく、これらの秘薬ができあがると。
「これを持ってみなさい」
と出されたのが、水銀の塊
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液体状態になっているものを時間をかけて
固体にしていく。
なんでも手で握っているだけで、成分が皮膚から
吸収して病が治るという。
神妙に握っていたら、途中でストップがかかった。
どうやら指に着けていたゴールドの指輪に気づいたようだ。
手を開くと水銀の一部が指輪にくっ付いていた。
そのままにしておくと、水銀が着いた部分から
真っ二つに割れてしまうとのこと。
フィジシャンは怪しい液体が入った瓶を持ち出し
着いた水銀を液体で拭き取った。
「ん? これはホントにゴールドなのか?」
24Kの純金ではなく、18Kの指輪だと伝えた。
どうやらインドでのゴールドアクセサリーの
比率は日本とは違うようだ。
さらに18Kかどうかを調べるために、またまた
怪しい石を取り出し指輪を擦り付けていた。
「確かにこれは18金だ。であれば、こちらの薬だな」
と、違う液体を使って水銀を指輪から落としてくれた。
し・か・し 水銀を拭き去ったゴールドの指輪は、
無惨にも半分シルバー色になっていた・・・
「大丈夫だ、色はシルバーでも素材は金にかわりない」
    そんなぁ~!
こんなツートンカラーの指輪、恥ずかしくできない。
すると奥さんが出てきた。
「わたしなんて、ちょっと横になってその辺にあるものが
ゴールドのブレスレットやネックレスに触れると大変よ。
すぐシルバーになっちゃうんだから!
でも平気、数日でゴールド色に戻るから」
   あぁ・・・ 戻るんだ、よかった
このフィジシャン、まるですべての鉱物を操る
アルケミスト(錬金術師)のようだ。
霊的なパワーがないとなれないアルケミストは
わたしにとって昔からの憧れの的。
即、“わたしにも教えて欲しい” と伝えた。
「構わないが、君には理解できんだろう」
と、いとも簡単に断られてしまった。
結婚してすぐ、妻と小さな2人の子どもを置いて
15年間も山に修行に入ってしまった彼。
家族を奥さんの実家に預けてようやく戻っては来たが
家でもひたすら薬作りにと、小屋にこもった状態らしい。
奥さんに聞いてみた。
子育てが大変なとき、夫がいなくてどう思ったか。
「なに言ってんの、夫という奉仕の対象から解放されて、
この上なく幸せだったわよ」
教師という職業をもっていた彼女は、実家にいたので
家事からも解放され、自由気ままに生きていた。
とにかくこの医者、広告も出していないし、名刺も看板もない。
領収書などハナからない。とにかく口コミで知ったモノのみが
やってくる。インド価格で莫大な値段にもかかわらず・・・
考えたら、【聖者】に名刺も名声もない。
たまたまこの聖者(医者)には家族がいるので、
普通のビジネス感覚としてわたしが見てしまうだけ。
   日本は放射線汚染で大変だが、それもこの薬で
   なんとかなるのか?
「もちろんだとも!」
   ホンとかなぁぁ~
とにかく、自分で試してみるほかない。
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当たり障りない、花粉症が治るかどうか、
さっそく薬を処方してもらった。
                        つづく・・・

天の采配 その3 【ホンモノは表に出ない】

3年前、ガイドの父はリュウマチがひどくなり、
膝が腫れ上がり歩くことができなくなった。
どこに行くにも誰かの手を借りないとならず、
家族中で彼をサポートしていた。
治療には膨大なお金が費やされ、どこの医者からも
手術して膝のお皿を取り替えることを勧められた。
しかも、それで歩ける(治る)保証などない。
手術となると日本円で60万円もかかるというのに。
最終的には【寿命】だからと片付けられた。
困り果てたガイドが行き着いた先が、シッダメディスン。
“聖者の医療” だ。インドには7つの分野の医学がある。
   アロパティ (西洋医学)
   ナチョロパティ (自然療法)
   ホメオパシー (同種療法)
   アーユルヴェーダ(伝統ヴェーダ医学)
   シッダメディスン (聖者の医学)
   ヨーガテラピー (ヨーガ療法)
   ユナニ (アラビア医学)
シッダメディスンアーユルヴェーダは似て非なり。
両方とも基本はハーブ薬。しかしシッダのほうは
【鉱物】も使う。
シッダメディスンの医者の家に行くと、水銀を
はじめとする有害鉱物がゴロゴロしている。
最終手段としてシッダメディアンを試してみたガイド。
すると、たった一日でお父さんの膝の腫れがひけ、
翌日には歩けるまでになった。
信じがたいことだが、とにかくそれ以来 父は、
家族の手を煩わせなくなったことは事実だ。
さらに、死の淵にあった友人がシッダメデスンで
瞬く間によくなった話や、そもそもこの薬を処方する
医者は誰なのかに話は及んだ。
しばし聞いて 耳を疑った。
   もしかして、その医者って、前回会った人?
驚いた。
普通のおじさんにしか見えなかった男が、家族を置き去りにして
15年も山奥に入り、聖者から教えを受けたシッダだったとは。
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前回の渡印時に、知人の病に効果的なアーユルヴァーダ医を
紹介してほしいとガイドに頼んでいた。
そのときガイドが連れて行ってくれた医者だ。
だがガイドは、彼の人となりを何ひとつ説明せず、
単なる医者として紹介し、処方箋としての薬を
ただ渡されただけだった。
その薬がクセモノだった。
耳かき1杯の量6包が、目が飛び出る値段だったのだ!
   そんな高いなんて聞いてない!!
「え、 言わなかったか?」
聞いた、聞いてないのやりとりの末、知人に国際電話を
して了承をもらうことで、購入に至った。
その際、領収書発行を要求した。
すると、『ない』という返事。
ますます疑惑が高まった。
   ない? だって医者でしょ! 
   それもこんな高額医療の。
そのときは、ただ【騙された】感に包まれて終わった。
今回、その医者の偉大さを聞くまでは、
この思いはずっと消えなかっただろう。
まったくガイドは、いつも延々しゃべり続けているくせに
肝心なことは伝えないんだから!
その後、再びこのフィジシャン(医者)のもとに赴き、
さらなる話を聞くことになった。
                   つづく・・・