「大調和」への幕開け  その9

交通手段を列車からタクシーに変更したことで、
バンガロールでこなす予定だった
仕事を2つキャンセルした。
そのひとつがハンク氏との打ち合わせ。
いよいよ出版が大詰めにさしかかっているのに。
後ろ髪引かれる思いで次回にまわすことにした。
思えば数年前、ここでのカウンセリング方法や
精神的な病に対する「あり方」に衝撃を受け、
よく通いつめたものである。
ここでの姿勢は
「精神病」とされている状態は病気ではない。
単なる「癖」である。

育った家庭で身に付いてしまった「癖」があるゆえ
大人になる過程で感情コントロールが
うまくいかないだけ。
だったら、その不利益な「癖」を有益な「癖」に
変容していけばいいだけ。
時間はかかるが、ここでは日常生活をともに
することで、短期間で癖の見直しができる。
それなのに子どもたちを向精神薬漬けにし
廃人同様にしている精神医学業界。
そこと30年間、真っ向から闘ってきたハンク氏。
彼はプロのカウンセラーではない。
まして医療従事者でもない。
そう。
人を愛して止まない神父様である。
当初、業界でない人物の無謀ともいえる取り組みに
医師や心理士たちは遠くから眺めていたはずだ。
しかして年月が経ち、医療現場ではありえない
「奇跡」を次々と起こしてきた。
ハンク氏から言わせれば、それは奇跡でもなんでもない。
人として普通にキッズたちと接した結果にすぎない。
その偉業は口伝えに広がり、今では業界人たちが
入れ替わり立ち代わり見学に訪れるほどになった。
そのうちのひとりが、プロモーションビデオまで
作ってくれるようになった。
薬を使わず、精神病とレッテルを貼られた子たちが
次々とわずか数年で社会復帰していくのだから。
ところで、
海外では多数の薬が古かったり、依存性が高いことや
さまざまな副作用で訴訟となっているのに、
日本では依然危険な精神薬の大多数が
認可されたままだと聞く。
他の医療現場ではありえないことだが、
精神医療現場では医師の主観だけで病名がつけられる。
内科で「糖尿病」と診断されたら、どの医師がみても
同じである。それは血糖値で証明されるから。
しかし、精神病の原因は未だ仮説の域を出ていない。
「うつ病」はセロトニン不足とマコトシヤカに
謳われているが、今では脳科学的にはすでに否定
されているらしい。

そもそも医療現場でセロトニン濃度の高低など
計測することさえ難しい。
ところがこのセロトニン不足は確定的な学説だと
思い込まされ、セロトニン活性を高める
抗うつ剤を使う根拠にされている。
これではよくなるわけがない。
むしろ薬を止めたほうが回復するという。
それを彼は医療現場ではないカウンセリングセンターで
実証してきた、それも30年かけて。
だから薬など使わず、愛ある家庭再現療法のような
ハンク氏メソッドが一躍注目されることになる。
それを多くの人に伝えたいと始めた出版プロジェクト。
特に、どの国よりも精神薬消費国家である
日本に取り入れられないものかと思った。
しかしわたしはハンク氏同様、その筋の専門家ではない。
まして神父様のように身を投げ出してそのことに
全霊をかけるほどの「無償の愛」を持ち合わせていない。
さらに精神医療としては他国より遅れている日本で。
だからはじめから大きな期待を抱いて
出版に取り組んだわけではない。
最低でもハンク氏メソッドが世に残せればそれでいい。
そしてインド国内だけでも浸透すればと。
しかしてそんな後ろ向きなわたしの精神医療業界への
視線に一石を投じる人がいた。
「精神科は今日も、やりたい放題」の著者
内海 聡 内科医


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精神病は99%が誤診! という帯をかけて。
読者からは「よくぞ書いてくれた!」
という反響が続出しているという。
内海医師はいう。
精神病といわれる症状は、愛ある人間関係と
健全な生活によってのみ改善する
、と。
日本にもハンク氏論を展開する医師がいると知り
一筋の光が見えた。
次回の渡印は3月。
先日、出版部長のニーラからメールがあった。
  We want to organise the book release function
       when you are here.

「あなたが次来るとき、出版記念パーティをしたい」
   いよいよ 出陣だ。
今まで遅々として進まなかったのは、
時が熟していなかったのだろう。
世界に日本に、このような愛ある本を
受け入れる準備が、ようやくできたということか。
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世界は今、大きな転換期を迎えている。
転換する、ということはAからBに遷り変わるということ。
その瞬間、なにが必要とされるかというと
AとBの融合である。
うまく折り合いをつけないと、
転換しきれずパニックになる。
それは季節の替わり目に体調を崩すのと似ている。
ではどうやってその時を大調和に導けばいいのか。
それにはまず、AとBをよく知るということ。
それも「正しく」
さてと。
転換期とやらの正しい情報を知るべく、
その発祥の地、マヤ文明を有する
グアテマラへと飛ぼうか。
              つづく・・・

「大調和」への幕開け  その8

「列車のキャンセル待ち20人。
       乗車見込みはないですね・・・」
南インドに向かう数日前、ガイドからの連絡。
デリーからバンガロールに飛行機で降り立ち
いつものカウンセリングセンターで
ハンク氏本出版の打ち合わせを予定していた。
その後、夜行列車に乗ってさらに南に位置する
孤児院ノコム(ポンディチェリー)へと
12時間揺られて行くという旅程。
しかして頃合いがまずかった。
11月上旬のインドは、ディワリ(Diwali)
という【灯明祭】がある。
これはインドの新年を祝う
ヒンドゥー教でもっとも大きなお祭り。
※ディパワリともいい、ディーパDEEPA(灯明)の日。
 インド古来の叙事詩「ラーマヤナ」に由来。
 ヒンドゥーの神「ラーマ王子」が
 セイロン(スリランカ)島で猿神ハヌマンをお伴にし
 悪魔退治した日がダサラ。その凱旋の日がディワリである。

インドの国鉄列車のチケット販売は、最初から
オーバーブッキングで受け付ける。
予約時点でキャンセル待ち人数が示され
目的日時の列車に乗り込む直前まで
乗車可能かどうかチェックし続けねばならない。
たいていが乗車日以前に席は確定されるが
当日までWLウェイティングリスト(待ち客リスト)
のままであることも少なくない。
そんなときはどうするか。
5番目以内のWLなら、その列車に乗っている
ティティと呼ばれる車掌さんに頼み込めば
なんとか席は確保してくれる。
そんな仕組みであるが、20人のWL(待ち客)
だと、乗れる見込みはない。
それは日本の年末年始に電車の乗車率が200%に
なるようなもので、ディワリにともなう満員状態だ。
一日1本しか走っていない列車。
飛行機などの交通手段がないのだから
しかたない、12時間かけてのタクシーだと。
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いつものタクシーを手配。
しかしバンガロールまで来てもらうのは初めて。
ガイドが空港に迎えにやってきた。
   あれ? いつものドライバー
          ムットゥじゃないの?
「ここまで来るのに2日まえに家を出たんだよ
途中、休み休みね。
で、ここからまたマダムを乗せ12時間走るんだから、
州境でドライバーを置いて、別のタクシーを手配したのさ。
その間、ムットゥを休ませるためにね」
   ・・・
確かに。
しかしいつも思うが、インドのタクシー
ドライバーはタフである。
どんな長時間でも、ひたすらひとりで運転する。
特にこのムットゥは、運転に関してなら
並々ならぬ持久力を発揮する。
それが他のことになると、カラッきし根性なしになる。
ちょっと疲れそうな山間の寺院には
「行きたくない」というし、たとえ行っても
へたばって途中で引き返す。
また、聖なる参拝後でもチキンブリヤーニ
食べたいと駄々をこねる。
※鶏肉入りチャーハン。
 たいていのインド人なら参拝前後はベジタリアンにする。

彼の使命は「運転すること」。
これを命賭けてまっとうすることに
全精力を注いでいる。
多くをソツなくこなす万能人より
ひとつのことに秀でる職人魂に魅力を感じるのは
そこにその方の「ミッション」=命が
感じられるからなのだろう

毎回同じドラーバーを使っているから
言葉は通じないが、彼のヒトトナリが見える。
今回も、わたしを無事
12時間かけて目的地に運んでくれた。
                   つづく・・・

立春を迎えて

立春
明けましておめでとうございます。

ようやく2013年度がスタート。
ときは2月。
されどブログ記事は
3ヵ月前(11月)に留まったインドのまま。
怒涛のごとく過ぎゆく時の流れに
降り注ぐ数々のイベント。
都度、今に集中していないと
超特急の列車に乗っているかのようで
目の前のテーマをやりこなすだけで必死。
昨日のコトが、まるで遠い過去世の
出来事のようにさえ感じるきょうこの頃。
なので数ヵ月前の出来事を記そうとすると
脳細胞が働いてくれない・・・ ⇒ 単なる言い訳
もっとも大きなイベントは
ギビング・ハンズのオフィスを移転したこと。
ということで
2月13日から連絡先が変更します。
新住所は:
〒167-0042
東京都杉並区西荻北1-8-4-106

今年は心機一転、新しい活動に入る予定です。
今まで同様、ご支援のほどよろしくお願いいたします。
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お気に入りキャリア(アエロメヒコ)でグアテマラへ
まだまだ続きます。
「大調和」への幕開け シリーズ!