新型コロナは“グローバリズムの知的な敗北”宣告

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「南インドのタミルナドゥ州は、
ロックダウンが7月末に延長になりました」
北インドに住むスタッフから入った連絡。
新型コロナウィルスの影響でインド全土では
67万人の感染者を突破し、死者は2万人近い。
4日連続で感染者数2万人を超えた。
北インド・デリーではロックダウンが解除され、
スタッフのひとりは通常勤務になったようだが
支援先のひとつである孤児院ADFの活動は
未だ再開される見込みがない状態である。
大変なのは
フリーミールを施している南インドエリアだ。
交通機関の再開や、学校の開校の見通しは
未だつかないようである。
世界規模のこのようなパンデミックを鑑みて
フランスの歴史人口学者である
エマニュエル・トッド氏は、こう語る。
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「ただ、新しい何かが起きたのではなく、
このパンデミックが、すでに起きていたことを露見させ、
その変化を加速させている、と見るべきでしょう」
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その根拠となるのは
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「新型コロナは “グローバリズムの知的な敗北”の宣告」
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とも述べている。
まさに
的を得た指摘だと思った。
戦争や疫病、経済危機は
単なるトリガーに過ぎず
潜在的な問題が浮上してきただけであると。
フランスでは産業空洞化で
人工呼吸器もマスクも医薬品もつくれない
自国の現実を突きつけられ
国内最後のマスク工場は、2年前に閉鎖されていたという。
オール電化の便利な家に住まう人たちが
地震による停電で、
エネルギー源を余儀なく絶たれるのと似ている。
グローバリズムが悪いわけではない。
それだけに「偏ってしまう」ことが弊害を招くと。
何ごとにおいてもバランスが必要だ。
社会的にも経済的にも
ローカリズムのもたらす役割がある。
たとえ生産性が落ちたとしても、残すべきところは
しっかりと押さえておくという「知性」が必要だ。
私利私欲で海の魚をすべて捕ってしまった漁師に
もたらされた悲劇のようなことを
なぜ、人間は学習せず
繰り返してしまうのだろうか。
●天の采配 その6 【分相応】
いずれにせよ
今は静観するしかない。
ネパールにあるチベッタン学校からも
「世界中が大変な時期に申し訳ありませんが、
ヨーロッパからの寄付が途絶えています。
わずかでいいので子どもたちの生活を
助けていただけませんか?」
と連絡があった。
全寮生で学校運営している
グレートコンパッション・ボーディングスクール
スイス在住のエリザべスが
ヨーロッパの有志を束ねて
全面的に支援している学校である。
日本よりもコロナの影響が深刻な
ヨーロッパでの支援活動が
混乱をきたしていることは、大いに想像できる。
ギビング・ハンズのメイン活動である
【フリーミール】を一時的にストップして3カ月経つ。
そんな中
定期的にご支援くださっている方から
> このような状態の中、この活動が再開し
> 継続していけるように願っています。
> 寄付をお役立ていただけたら幸いです。
という温かいご連絡をいただきました。
こんな時だからこそ
とにかく今は
定期的にお互い連絡をとり
それぞれが、できることを最大限
するしかないのだと思う。

投稿者: givinghands

2007年3月からスタートしました、特定非営利活動法人 ギビング・ハンズ オフィシャル・ブログです。 このブログはおもに、ギビング・ハンズのスタッフや支援者が、インド・ネパールなどへ赴いた際の 活動報告や視察模様などを、写真アルバムを中心にお伝えする目的で作成しました。