「大調和」への幕開け  その7

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この足あとプリント、どこにあるか わかります?
デリー地下鉄構内にある、床に示される行き先案内。
黄いろ電車と青い電車はこっちだと。
場所は日本でいえば、銀座線の日比谷駅、みたいな大都会。
普通「足あと」といったら、靴あとマーク
しかし、ここはインド。
靴など履く習慣のなかった彼らの発想は
「裸足あと」マークだと。
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北インドに夜中到着し、翌朝から毎日
地下鉄に乗って、デリーの中心街に通学した。
国際占星術クラスに出席するため。
朝のラッシュ時に地下鉄に乗るのは初めて。
まるでその様(さま)は、日本の通勤電車顔負けである。
日本同様、「女性専用車両」があり、わたしも毎行き来
そこにもぐりこむのだが、朝はキャリアウーマンと
エリート女学生ばかりだ。
地下鉄利用の乗客は、まさに「上客」
裸足で歩いているものなど皆無。
南インドでは普段着である、サリーやパンジャービスーツ
をまとっている女性すら稀で、皆、
シャツにジーパンという西洋風な出で立ち。
で、スマートフォン片手にipodで音楽を聴く。
そんな「賢そうな女たち」が、地下鉄では
すごい行動を取る。
まず8人がけのシートがある。
そこに普通は8人で座ると。
しかしここインドに、車両人数制限などない。
(法的にはある)
5人乗りの車に8人。
3人乗りのオートリキシャに10人。
なんてざらである。
これなどエンジン付き車両だからまだいい。
2人乗り人力車で、朝は通学の子どもたち
10人乗せて自転車ペダルをこぐ男を見る。
なんとも怪力だ。
それにくらべ、地下鉄というハイパワー車両。
普通の列車の屋根に上がって乗車する国民だ。
シートにちょっとでもすき間があろうものなら
キレイなお姉さんが、見知らぬ座り人(びと)に
「横に寄れ」と指示し、座れるスペースを
作らされる。

もともと定人数オーバーで座っている。
そこを無理やり空けさせ、お尻を
ぎゅうぎゅうねじ込んでくる。
こんなこと日本でするのは「おばさん」
と相場は決まっている。
日本では座ってしまえば、いくら満員電車でも
圧迫感から逃れられるが、
ここインドでは、座っても窮屈!
車両内では携帯電話かけ放題、割り込み当たり前、
椅子取り合戦、詰め込み座り・・・
いやはや国民性の違いとはいえ、これに目を白黒させている
わたしも、やはり「やまとなでしこ」なんだと実感。
また車両の壁には
   「床に座るな」「車両内で唾を吐くな」
   「飲食するな」「歌って踊るな」

などの注意書きが掲げられている。
「写真撮影禁止」項目もあり、それらの表示は
撮ってこれなかったが、読んでいて思わず笑えた。
日本の非常識は世界の常識、反対もしかり、だ。
このデリー地下鉄通学を約2週間遂げ、
だいぶ大都会のエリート住民生活を理解した。
  やっぱりわたしは田舎がいいや~
そう再認識し、さっさと南インドに飛ぶことにした。
             つづく・・・

「大調和」への幕開け  その6

エア・アジアのフライト時刻変更によるシワ寄せで
用事もないのにクアラルンプールに一泊。
LCCとして大成功を収めている地元マレーシアで
エア・アジア専用の空港に降り立ち、その発展に
目を見張るものの、あまりの「機能優先徹底ぶり」に脱帽。
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乗客はキャリアから降ろされたら、
ひたすら空港構内まで 歩く、歩く、歩く
ひと昔前の古い空港にある、
外から入口までのバス送迎なんぞも、ない。
歩く通路が長~く伸びているだけ。
重い荷物を持つものは、けっこう辛い。
しかもクアラは年中、蒸し暑い。
空港すぐの、やはりエア・アジア系のホテルに滞在。
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身動きは横ばいしかできない、セミダブルベッドで
占められる部屋で、寝て過ごそうと覚悟していたが、
日本出発直前、友人から連絡あり。
「マレーシア在住のリタイア知人がNPOと農業に興味あるよう。
 クアラかシンガポールに行く機会があったら会ってみない?」

   !!!
なんという タイミング。
無駄な滞在と思いきや「意味ある」打ち合わせに
変わった瞬間。
意味もなく理不尽なことなど起こらない
頭で分かっていたので、航空会社側の変更に
憤慨したとき、エア・アジアのお姉さんを
トコトン困らせなくてよかった~。
リタイア知人はクアラとシンガポールを行ったり来たりの生活者。
ちょうどクアラにいて、わたしとすれ違いでシンガポールへ
行くところだったので、エア・アジア空港内で落ち合うことに。
この方は、わたしと違って富豪である。
ビルや土地を山ほどもっている。
しかし、使う空の交通機関は格安LCC
こんな「低サービス」で、よく耐えられるなと思ったが、
現地人にとっては、それほど苦痛でないのかも。
日本基準だと「まじ?」「ここまでやる!」の連続。
だが、彼らにしてみるとムダのない効率いい戦術なのだろう。
富豪と格安LCC このミスマッチした
不調和が気に入った。
1時間しかない打ち合わせは、ほぼ自己紹介のみで終わった。
今後、この富豪とどのような関係性で進むかは
神のみぞ知る。
ともあれ、次なる目的地 北インドへ。
                  つづく・・・

「大調和」への幕開け  その5

迎春
明けましておめでとうございます。

年明けから、2ヵ月遅れの「つづき」です。
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インドネシアといえば2万もの島をかかえ
人口的には世界第4位の国(1:中国 ⇒2:印度 ⇒3:米国)。
そしてジョグジャカルタにある【ボロブドゥール】遺跡
仏教遺跡として世界第一位の大きさを誇る。
遺跡そのものがマンダラとなり、釈迦の教えが刻まれている。
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よくぞここまでのものをと畏怖するほど
遺跡の隅々から「天意」を感じる。
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英語のガイドを雇って案内してもらう。
ガイドだけあり、よく仏教のことを理解してる。
しかし彼らは仏教徒ではない、ムスリムである。
いままで多くの遺跡や世界遺産を訪ね、その国のガイドに
案内してもらったが、たいてい彼らの宗派はその遺跡に関するもの。
信仰と遺跡がマッチするので、複雑にからんだ宗教話題でも
心底真摯に応えてくれる。
しかしてここのガイドたちは、案内は確かに丁寧だが、
心の薄っぺらさを感じるのは私だけなのか。。。
ボロブドゥール遺跡にある三界(欲界、色界、無色界)
の思想や因果応報輪廻転生などを、旧約聖書を
基調とする「唯一絶対神」を信ずる彼らが
どう感じ、どんな思いでガイドしているのか、
そっちのほうが気になって案内など上の空だった。
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だが、
見方によっては、もともと天のルールはひとつ
別思想もクソもない。
このような異教徒たちが、相容れない「教え」を
仕事として割り切り、念仏のように案内という名の下
毎日唱えることで、思想の習合というメリットがあるやも。
ともあれ、今回のインドネシア訪問目的は
ここに来ることだったので、ひとまず満足した。
                 つづく・・・