それぞれの価値観 その2

思えば3年前、インドの寺院に雌牛を施したとき。
僧侶による施しの儀式終盤、マントラが唱え終わった。
わたしは深々と頭を下げ、供物と灯明を
雌牛の後ろから捧げるポーズをした。
まさにその瞬間、『彼女』は、わたしの顔の前で
勢いよく放尿しはじめた!!!
   ぎゃあぁぁぁああ ~~~
飛び散るしぶきに、とっさに逃げ惑う わ・た・し。
その上 さらに、あり得ない光景が・・・
僧侶が放尿する雌牛に近づき
手でおわんを作り 『水分』 をすくって・・・
逃げるわたしに振り撒いたのだ!
   うっそぉぉぉおおおおお~
パニクっているわたしを尻目に、どこからともなく
参拝者が雌牛の周りに集まってきた。
『水分』 を 「アムリタ(聖水)」 として浴びに、わんさか。
ガイドはガイドでわたしをガードするどころか
「これは、祝福だぁ~」と大騒ぎ。
頭ではわかっている。インドで牛が聖なる生き物だと。
だからこそ、寺院で厳かな儀式をともない雌牛を施した。
しかし、わたしのベースにある価値観は日本仕様である。
牛は 『牛』 だし、尿は 『尿』 なのだ!!!!!
表面だけインプットしているインド価値観では、
こんな不意打ちに、太刀打ちできない。
しかして、この放尿の洗礼を受けてから、
わたしの 『インド化』 が定着したのは言うまでもない。
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 雌牛を施したアルナチャラ山からのティルマンナマライ
我われの肉体がハードディスクだとしたら、
どんなソフト(価値観)を入れているかによって、
刺激(出来事)に対する反応が異なる。
MacにはMac専用の、Windowsにはそれのソフトが
インストールされてナンボである。
専用ソフトでないものを入れようとすると不適合が起こる。
しかし、PC市場のほとんどはWindows仕様なので、
どうしてもMacでWindowsソフトを使わなければならない
ときがある。
だからアップルは、インテルを入れることで、
Windowsが立ち上がるようにした。
そのときのジョブズの発表には、会場から大いなる
ブーイングが起こったという。
「なぜ、競合他社(Windows)と手を組まなくてはならないのか!」
と。ジョブズ自身だけを考えたら、絶対しないこと。
しかし、愛するユーザーのことを思えばそれもできると
父親のように皆をなだめた。
だからMacは、ハイブリットPCになった。
つまり、価値観が増えた。
必要に応じて使い分ければいいと。
少ないソフトしかインストールされていないと、できることも
限られるし、違うものが入ったら不具合が生じる。
いや、むしろ壊れるかもしれない。
それは人も同じこと。
単一民族国家である日本は、そもそも価値観が単一。
雌牛の尿(刺激)=汚ない(価値観)=逃げよ(自動反応)となる。
そこに「インド仕様」のソフトをインストールすると同じ刺激を受けても、
聖なるアムリタ(価値観)=浴びる(自動反応)になると。
どれだけのソフトがインストールされるかによって
その人の幅、つまり器が左右されるが、
それは取りも直さず「苦痛の度合い」を左右する。
お風呂の温度の許容範囲が広いほど、
「心地よさ」を感じる体感温度が広がる。
わたしが世界を知ることを推奨するのは、
この幅を広げてほしいから。
自身の苦しみの度合いを少なくする最短距離だから。
価値観が多様な現在、ハイブリット仕様に自身を
変容すること
が、一刻も早く必要とされる。
フリーミール、この価値観もそのひとつなのかもしれない。
「なんで、自分の誕生日に 人にものをあげなくてはならんのか?」
と。
で、今は、尿を振り撒かれても平然かというと、
やっぱり今でも、さっさと逃げる。
ただ、なぜ彼らがわれ先にと尿(アムリタ)を
浴びにくるかだけは理解できるようになった。
このお互い「理解」できることが、重要なのだ
わたしは思う。
理解するために、自身が壊れないために、
多種多様な価値観という、ソフトを入れることにしている。
Macがハイブリットになったからといって、
ジョブズのマイクロソフト嫌いは変わってない。
「マイクロソフトはデザイン性が乏しいのではない、『ない』のだ」
と言い切るほど・・・
他を受け入れるとき、「好き」になる必要はない。
理解するだけでいいのだ。

それぞれの価値観 その1

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「ねぇ、そもそも 『フリーミール』って、 なに?  
       オートミールみたいな 食べ物のこと?」
   ・・・・
  バースデー@フリーミール・サービスをはじめます!
との知らせに、「いいね、いいね~♪」と乗ってきたのは
“インド通” の仲間たちだけ・・・
あとは、「???」
上記の質問は、なんと身近なスタッフからのもの。
そう。
「フリーミール」なるものは、紛れもなく
  ジャーゴン(業界用語、隠語)だと気づいた。
ということは、意味も噛み砕く必要があると。
   インドの子どもの誕生日プレゼントとして施すのか?
   なんで自分の誕生日にやるのか?

あわててサイトの説明に補足を加えたものの
なんだが まだ足りない気がする。
なんと言っても、わたしの頭はすでに
インド化されているので、よくわからんのさ。
思えば、インドの常識は、ほとんどの世界の非常識である。
先日、世界一周のみ手がけている旅行代理店主催の
「世界一周説明会」なるものに参加してきた。
数ある世界一周券の特徴を把握するために。
自分用に? 
いや、また誰かを世界の旅に送り出すときの準備に。
そこには世界一周を果たしてきた若者2人がゲストでいた。
ルートや予算、諸注意などが述べられ、最後に
「世界で一番びっくりしたこと」を挙げていた。
ひとりの男性が見せたスライドに、な・ん・と・・・
   メイン道路を闊歩するインドの野良牛が映っていた!
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そ~うですか。
世界広しといえ、野良牛はトップの珍事実なんですな。
さらに、司会の旅行代理店が加えた。
「インドに行く場合、東周り、西回りで世界一周できますが、
インドは旅の終わりにもってくるようルートを組んでください。
はじめに行くと、ショックでその後の旅に支障がおこります。
そのまま日本に戻ってきたケースもありますから」
 
  ・・・・・・・・・
野良牛と司会の言葉に、ショックを受けたのはわたしだけってか?
                             つづく・・・

カエルを食べたぞ!

昨年 夏から取り組んでいる作業が、
昨晩、朝までかかって終了した。
わたしと甥っ子の共同作業だ。
やり始めてしまえば 4日で終わるものが
2人の休みと「やる気」のバランスが調わず、
結果 8ヶ月かかった。
これは急ぎではない、しかし重要な「やるべきこと」
家の財産目録の作成、会社の経営システム見直し
人生のミッションの確認、素の自分の棚卸し、遺言作成
みたいなこと・・・
この手の分野は、「急ぎ」でないので隅に追いやる。
しかし、「重要」なので、いつも気になる。
だから 「To do list」 のトップにいつもいる。
   なぜ後回しになるのか・・・
   「急ぎ」でないから?
否。 
重要なこと=厄介なこと だから。
本音は、やりたくないのさ!
ただ、やらないとあとで悔やむこともわかっているから
終わるまで、髪にガムがくっ付いているかのごとく不快だ。
ということは、時間ができたら、気分が乗ったらなんて
悠長なこと言っていると、一生リストに上がったままになる。

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夜中の1時、彼が翌日休みだと判明。
で、わたしにも時間があった。
30分かけて説得し、作業をはじめることに成功した。
終了したのは、朝 8時。
「おめ~の口車に乗せられて、俺の休みがなくなったぁ!」
と嘆いていたが、こうでもしないと
カエル(厄介なこと)をやっつけることなど出来ない。
あぁ スッキリ。
こうして、ひとつひとつ確実に「為すべきことを成していく」
大きなことも、小さなことも。ただそれだけ。
人は、ほぼ毎日、それほど「重要ではない緊急なこと
に時間を費やしている。
だから、時には大きなガマガエルを食べることも必要だ。
でないと、前に進めない。
それには重い腰を上げ、重要ボタンを押し続ける
パワーを「自ら」作り出すしかない。

点と点が繋がるということ

   天は我われの「欲しいもの」よりも、
   成長に「必要なもの」を与える。
   それは必ずしも願ったものじゃないかもしれない。
   だが、高い目線で必要と判断されたのだから
   甘んじて受けるしかない
   不満はあれど、「とりあえず」受け取ろう。
   3歳の子どもがチョコをどんなに欲しがっても、
   愛ある母なら、与えないのと同じだ。
   将来、虫歯にならないことで
   ようやく「感謝」できるもの。
   だから今は、ただ受け入れよう。
   その意味がわかるときまで。

身に起った出来事、やるべき仕事、手に入らない現実
これには、いったいどんな意味があるかなんて
そのときは、理解できない。
たとえ「意味」がわからなくても、
今は目の前のことに集中するしかないと。
話は変わるが、
我が家のPC環境は、アップルのMac派と
マイクロソフトのWindows派に分かれる。
Mac派の甥っ子は、ユーザーインターフェイス(操作性)と
デザインに惚れ惚れし、ディスクトップとマックブック・プロ
さらにiPod、iPhone ・・・ すべて揃える。
新作が出るたび、英語もわからんくせに
ジョブズのプレゼンを見るほどのマカー(Mac狂)である。
今春からはじめる、プロジェクトに向けて
ワークショップの準備に唸っているわたしに、
「ジョブズの基調講演を聴け」
と、偉そうに指示した。
わたしの回りくどい話し方に、いつもうんざりしている
彼の、ささやかなプレゼントだ。
   youtubeにある彼のプレゼンに釘付けになった

   未来に先回りして
   点と点を繋げて見ることはできない。
   君たちにできるのは
   過去を振り返って繋げることだけなんだ。
   だからこそ、バラバラの点であっても
   将来それが何らかのかたちで
   必ず繋がっていくと信じなくてはならない。
   自分の根性、運命、人生、カルマ・・・
   何でもいい、とにかく信じること。
   自分の歩んでいく道の途上で
   点と点が必ず繋がっていくと信じることによって
   たとえ皆の通る道から外れることになっても
   自信を持って自分の心に従うことができるんだ。
 
         Apple社 CEO スティーブ・ジョブス
              @スタンフォー ド大学の卒業式

そう。「点と点が必ず繋がっていくと信じる」こと。
これが、人生に意味をもたらす。
だから、人は望むものが手に入らなくても、
決して落胆してはならないと。
でないと、繋がったことすら見失うことになるから。


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すべては自己責任

仕事がイヤで辞めたいと思っているママがいう。
「子どもが最近、なんだか情緒不安定なんです。
きっと、わたしが働いているから。
     やっぱり仕事を辞めようかと・・・」
こうやって人は、自分の願いを叶えていく。
仕事を辞めたいママが、その理由を自ら作り出す。
大義名分のために子どもを巻き込み不安定へと誘う。
すべては思い通り。
こんな【メンタル習慣病】を無意識に抱えて生きている。
生活習慣病とは「日々の暮らしで根付いた癖」から
発生した病(やまい)。
苦しく痛い目に遭っていても、その癖が止められない。
なぜなら、奥に潜んでいる虫が【】を欲しがるから。
    暴飲暴食、アルコール依存、糖分過多
    働き過ぎ、食欲不振、運動不足、ネット依存・・・
心の底でうごめいている「不安虫」をなだめすかすために
蜜を与え続ける。決しておとなしくならない回虫なのに。
それは目の前に起こる出来事も一緒。
すべてが心との「駆け引き」で成り立つ世界。
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10年選手の外科医がいう。
「切って貼って、身体にメスや毒素の塊(薬)を入れるより
メンタル習慣を変えたほうが早いっすよ、と患者に言いたい」
日本の医療システムは、日々、お金をかけて心身の管理を
している健康人からは莫大な保険料を徴収し、不摂生して
重症な病になった人には無料で治療を施す。
    なんだかなぁ~
運転経験が長らく無事故無違反だったら「ゴールド免許」が
与えられるように、健康保険を5年使用しなかったら、
保険料を下げて欲しいと。
で、生活習慣が因の病で健康保険を使用したなら、
自動車保険同様、掛け金を上げるシステムにすると、
意識して健康管理をするようになるかと。
すべては自己責任。
厳しいようだが、病も貧困もすべてのトラブルは、
自ら作り出していると理解したなら、人様の納めた
税金でケアしてもらうことに、一方(ひとかた)ならぬ
恩が身に染みよう。
と言っている我が家が筆頭に、恩恵を受けている。
病満載の母のケアを、国家が長年してくれている。
頭が下がる思いだ。
それは、ともかく。
無意識に生み出される【虫】と対峙し、受け入れることが、
ジレンマから抜け出す唯一の方法。
それにはいつもやっている【ゲーム】を見つけ出すこと。
したら、それを宇宙の彼方に放り投げよう!

吉祥のはじまり

2月(旧暦1月)
地天泰【ちてんたい】 立春 寅月 睦月
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旧暦での新年、あけましておめでとうございます。
易の消息卦での「地天泰」は、六十四卦の中でも
もっとも吉祥の卦である。
一見すると、天を象徴する純陽が下に、地を表す純陰が
上にある卦は、位置として逆のように思えるのだが
地は大地に向かって下へ、天は上へ昇っていこうとする、
これぞ天地和合そのものの象である。
この世界はすべて陰陽交合するところに息吹きあり、
この和合に一切のはじまりがあるとする。
ゆえに和月名に「親しみ近づく」意の「睦月」が
割り当てられたのではないかと。
今年の節入り(立春)は、前日の旧暦元旦が
新月ということもあり、変化の度合いが激しゅうございます。
今月半ばには、花粉が昨年の数倍という勢いで
舞うようなので、なんだが心身ともに揺さぶられそう。
しばらくは体調に十分お気をつけください。

春よ来い

本日は2月3日。
言わずもがな【節分
旧暦でいう大晦日だ。
   鬼は外~ 福は内~
鬼とは、「陰気」のこと。
中国では鬼は、「霊」をさす。
   霊=陰の氣
   陰の氣=冬の冷たい気を外に追い出す
         → 春が来る(立春)

陰陽五行では、冬は「水」行、春は「木」行。
春を呼び起こすには「水」を弱め、「木」を強めよと。
そこで登場するのが大豆である。
それも煎ったお豆さん。
大豆は丸くて白っぽい。
○も白も「金」気に属する。
「金」は、「水」を生じ「木」を剋す。
「金」そのままだと「金生水」で冬を強め(生じ)
「金剋木」で春を弱める(剋す)ことになる。
これを封じるために、豆(金)を火で煎りつけることで、
「火剋金」が成立し、金気を弱めておく。
さらに「金」気を痛めつけるために、豆を投げ棄てる。
それも、追い出したい「水」気である鬼(陰の氣)に向かって。
なので、
できれば陽氣である「男性」が豆を撒く役がいい。
さらには「福は内」といって、屋内に留まった豆をも食らう
いずれにしても剋される運命だと。
つまり、節分の豆撒きは、陰氣の鬼を退散させ、
春を剋する金気の豆をも、鬼もろとも追い払うという
二重構造の迎春呪術である。
昔は追儺(ついな)と言って、鬼(厄)を追い払う行事だったとも。
日本のほとんどの行事は中国から伝わってきたものなので、
陰陽五行論がベースにある。
宇宙の季節に合わせて暮らしていけば、
「災いを逃れ福来(きた)る」ということ。
昔の人は、自然を味方につけることに余念がなかった。
そのための、天の理(ことわり)を熟知していた。
でなければ、命まで持っていかれるから。
今は守られた環境と福祉と医療があるから、何かあったら
医者に行政に国に助けてもらえばいい。
だが、
理(ことわり)なき助けは、本来の祐(たす)けに
なっていないことは、問題だらけのニッポンを見れば明らかだ。
葬り去られた【理】が復興されるよう
明日からの立春に祝福あれ。

生きていく上での肝(キモ)

「インド首相に逢う機会があったのでお知らせします」
いつも支援している孤児院からのメール。
Greetings from Asha Deep Foundation!
I am glad to inform you that we got the opportunity
to meet the Prime Minister of India on 31st January 2011
and we could share some of the issues related to
the socially excluded children with special emphasis
on Girl Child Education.

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インドの首相 マンモーハン・シン氏
シン氏は貧しい環境で育ったため、貧困克服の手段を学ぶことで
故郷への貢献を果たそうと経済学者を志した。
インドの大学卒業後、イギリスのケンブリッジ大学
セント・ジョーンズ・カレッジに留学して博士号を取得した。
インド大蔵省の大臣を務めたりした暁に、
推薦にてインド独立以来、ヒンドゥー教徒以外で
初の首相に就任している。
大蔵大臣時代に、インドは経済危機に直面していたが、
シン氏は首相のラーオとともに経済危機克服に乗り出し、
みごとにインド経済は危機を克服し、実質経済成長率も
1991年には2.1%だったものが1996年には7.6%にまで伸びた。
そして現在の経済成長に至る。

貧困環境だったがゆえに、経済学を学び、
民の痛みがわかるからこそ、政治家として指示され、
国のトップになってからでさえ、小さな孤児院を訪れ理事たちを労う。
   う~~~ん
   どこかの政治家にも見せてあげたい
ここADFは、わずか100人足らずの孤児と身体障がい者の
子どもを保護している、小さな施設である。
そこに首相が自ら足を運び、視察されている姿には
頭が下がる思いだ。
この首相の、この「あり方」あってのインドだと
生きていく上での肝(キモ)を見た気がした。

東京都の悲鳴

突然、事務所に舞い込んできた封書。
それは東京都青少年・治安対策本部からのもの。
内容は、都の「ひきこもり」対策について。
その説明会を 4日後に行う、という主旨。
また急な話だ。
しかし、重要なコトなので、その日の予定を
変更する手はずを整え、ミーティングに臨んだ。
初頭の挨拶をしていたのが、治安対策本部課長。
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都の調べでは、全国に70万人(一般の調べでは100万人)
都内 25000人(平成19年度)に達する「ひきこもり」の数。
このまま「働けない」状態が続くと、ご本人や家族
の問題だけではなく、生活保護費を支払う都の
財政負担も深刻であると、切々と訴えていた。
※国が定めた保護基準(最低生活費)と世帯の収入を比べて、
 収入のほうが少ない場合、その不足分が保護費として支給
 最低生活費は住んでいる地域や世帯の構成などで異なるが
 東京都の場合、標準3人世帯で月額17万5170円
 高齢者2人世帯で12万1940円

もし、25000人が保護基準の差額を、例えば6万円
申請すると、都は15億円の負担となる。
言わずもがな、すべて我われの税金!
    えらいこっちゃ・・・ 人ごとじゃないぞ
都が平成20年から取り組んでいるこのプロジェクトも
すでに3年が経ち、いまだ遅々として進まない
「ひきこもり」問題に、さらに本腰を入れようと
奮闘している姿勢が見受けられた。
老人福祉や身体・知的障がい者への対応には、古くからの
歴史がある。しかし「ひきこもり」や「ニート」といった新しい
分野には、国としても手探り状態なのが
職員さんの話し方でひしひし伝わってきた。
それは、親も同じだ。
いったい何から手をつけたらいいやら・・・
しかし、一番手を焼いているのは、当事者に他ならない。
先日、ある新聞のコラムで美輪 明宏氏が述べていた。
「『草食系』生み出したのは誰だ」と・・・
結論は、今の大人たちの生き方が作り出した産物であり
多くが親のトラウマに行き当たるのだと。
美輪氏のコメントがどうかは別として、このような
「ひきこもり」「ニート」を作り出した社会の責任を
国全体の問題として、ひとりひとりが取り組むべき
課題であると痛感した。
それを「今の若いヤツらは情けない」と、肉食系の中国人
留学生を積極的に採用する企業や、はたまた中国まで赴き
優秀な中国人をハンティングして日本語教育を受けさせる
企業が後を絶たないのを見るにつけ、自分たちが生み出した
『負』にフタをして、同じ過ちを繰り返そうとしている
コトに
寒気すら覚える。
なにも、やる気満々の中国人を雇うことに異論する気はない。
せめて、後始末をしながら取り組んでいただきたいものだと。