「時」はすぐそこに その9

I cannot believe that you were also in Bodghaya too.
I was also there at that time!
I visited from Varanasi.
We must have just missed each other.

  あなたも、ブッダガヤにいたなんて信じられない 
  わたしも、そのときベナレスから訪れそこにいたのよ!
  ちょうど私たちはすれ違いだったのね。

バルド本の著者、マイナヴァティから帰国後に届いたメール。
翻訳作業が滞っている中、昨年は彼女のイギリス在住の母親が
他界したことで、ここ半年 連絡が途絶えていた。
ベナレスでの巡礼から戻ってきたばかりと書いてあったメールに
「あら、わたしはブッダガヤから帰ってきたばかり」
と答えた返信がこれである。
ブッダガヤへの巡礼シーズンは11月~3月。
宗教儀式もこの期間に集中する。
案内してくれたラマはこの間、
舞って歩くような忙しさだと嘆く。
8月のブッダガヤ。
暑さと湿気で誰もが避けたい月。
そのとき、まるで打ち合わせでもしたかのように
わたしとマイナヴァティは仏教遺跡の地を踏んでいた。
彼女の著書は、
《人は死んだらどうなるか》という
いってみれば仏教の解説書。
なかなか進まぬ作業に、
仏陀の祝福をいただきに行ったかのよう。
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案の定、連れ立った日本人親子は
2日目訪れた竹林精舎のあった岩山、
ラージギルの霊鷲山(グリドゥラクータ)の山登りでバテた。
しかし、親の自己満足だけで連れてこられた
子どもはなぜか元気ハツラツ。
昼寝中の親から離れ、わたしの部屋に来ては遊んでと。
こちらはゲストが休んでいる間にやらなければ
ならん仕事が満載。子に構っている暇などない。
そのひとつがネット送受信。
しかたがないから外のネットカフェに彼を連れ出す。
子どもというのはどこにいっても話しかけられる対象。
「名前は?」「いくつ?」「どこから来たの?」
もちろん英語でだ。
それを通訳し、彼に英語を教えて答えさせる。
  「What’s your name?」  ワッチュアネーム?
  「My name is ○○」   マイネームズ ○○
  これを彼は 「マヨネーズ ○○」 と答えた!!
  
  ナイスアンサー♪   粋な回答
  グッボーイ!      いい子だ

それでいい。
耳で聞いた音をただ繰り返す。
日本語だってそうだ。
未だにこの子は幼稚園に行くとき
「ようちえん」を「のうちえん」と言う。
通じればいい。
「ちゃんと話さなきゃ」なんて思っていると
言語なぞ習得できんぞよ~

ということを、5歳児から学んだ。
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マウナヴァティの翻訳本も、そうかもしれない。
邦訳は出来上がっているが、内容が仏教的だけに
邦訳と内容の整合性チェックに時間を要している。
「マヨネーズ」でOKくらいの心意気で
今年中にはなんとか完成させたいものである。