みんなで考えよう!世界を見る目が変わる12の真実
●毎日16人の女性が持参金不足で殺される
中国では将来5000万人もの男性が、結婚相手を見つけられなくなるといわれている。
5000万人も男性のほうが多くなってしまうんだ。なぜだろう?
それは人びとが女の子より男の子をほしがったから。
中国では2000年に女の子100人に対して、男の子は118.5人も生まれている。
この男女比はますます拡大している。インドや東南アジアでもこの傾向は強い。
なぜ男の子がほしいかといえば、男の子は働いてかせいでくれるけれど、
女の子は結婚して家を出てしまうから。
家族の面倒を見ない女の子にお金をかけたくないというのが本音らしい。
インドでは女の子に持参金をつけて結婚させる慣習がある。
持参金が少ないと女性は嫁ぎ先でいじめられる。そのせいで、
1日あたり16人もの女性が殺されているんだ。こうした悪しき慣習も、
女の子はほしくないという傾向に拍車をかけている。
●「透明児童」の将来はいかに?
これらの国々では、妊娠しても性別診断で胎児が女の子だとわかると、中絶してしまう。 生まれてすぐに殺されてしまうこともある。 インドのある地区では赤ん坊に熱くてからいチキンスープを飲ませたりする。
もちろん死んでしまう。けれど親は事故だって言い張るそうだ。 なんて残酷なんだろう。
病気になっても、男の子は病院につれていってもらえる。 実際、病院に行けば助かるのに、病気で死ぬ女の子はとても多い。 ある調査では、インドで下痢で死ぬ率は、女の子のほうが男の子より2倍も高かった。
中国では人口を増やさないために「一人っ子政策」がとられている。 子どもは夫婦に1人までと国が制限しているのだ。2人目は規則違反だから、
親は生まれても役所に届け出ない。 こうした戸籍がない子どもは「透明児童」と呼ばれている。 かれらは学校へ行くこともできない。公的な援助も受けられない。
透明児童がどれくらいいるかはよくわかっていないけれど、 届け出るなら男の子と考える人たちは多いだろう。
女の子を差別する風習の問題は根深い。
「みんなで考えよう 世界を見る目が変わる50の事実」より
ジェシカ・ウィリアムズ 著 草思社