みんなで考えよう!世界を見る目が変わる12の真実
●紛争地域に住む人、23億3000万人
世界では武力紛争があちこちでおきている。イラクでは国の内部で混乱がおきているし、
イスラエルとパレスチナの紛争は解決のめどが立っていない。
2005年のデータによると、27カ国で32の武力紛争がおこっている。
その地域に住む人の合計は、23億3000万人。じつに世界人口の3人に1人は、
戦禍に巻きこまれている計算になる。どんな戦争であろうと、
いちばん被害を受けるのは、そこにくらす人びとだ。
●現代の戦争の現実とは
スーダンでは過去20年にわってむごい内戦がつづいた。(1983―2005)。
政府と反対勢力との戦闘に、多くの市民が巻きぞえになった。スーダンはいま、
世界で最も多くの難民を抱える国だ。人口の10%以上、450万人が故郷を出て避難した。
コンゴ民主共和国の紛争では、1998年から2002年の間に300万人以上が戦争や病気の犠牲になった。
2002年末に平和協定が結ばれたが、いまだに戦闘がつづいている地域もある。
戦後の復興には時間がかかる。ベトナムでは、
戦争中(1960―1975)に米軍がまいた枯れ葉剤の影響で、30年たっても作物が育たない。
クウェートでは、第一次湾岸戦争(1991)によって原油が流出し、
大切な水源である地下水が汚染されたまま。コソボでは化学工場や製油所が爆撃され(1999)、
町には黒い雨が降り、発ガン性の高い物質がまきちらされた。
これが現代の戦争の姿だ。
●反政府武装勢力と人道的支援活動
反政府武装勢力との戦いはむずかしい。かれらは軍服を着ていないので、
民間人と区別がつかない。だから、戦闘の巻きぞえになる被害があまりにも多い。
また、かれらは、陣地を確保したり、住民に言うことをきかせるために、爆弾や地雷を使う。
かれらが軍事行動をおこせば、必ずといっていいほど住民が被害にあう。
戦争を終わらせる努力はつづいている。でもいままさに危機にさらされている人たちを救うため、
国際赤十字のような人道的な団体が活動している。それすら、妨害されることも多いんだ。
「みんなで考えよう 世界を見る目が変わる50の事実」より
ジェシカ・ウィリアムズ 著 草思社