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みんなで考えよう!世界を見る目が変わる12の真実

10.世界にはいまも2700万人の奴隷がいる

●昔よりもいまのほうが奴隷は多い

黒人奴隷を解放したリンカーン大統領の伝記を読んだことはあるだろうか。 彼が奴隷解放を宣言したのは1862年、いまから100年以上前だ。
ところが、現代にも奴隷と呼ばれる人たちがいる。どこにいるかって? 南極大陸を除くあらゆる大陸にいる。そして現代ほど奴隷が多い時代はない。
奴隷制に反対する団体によると、奴隷の数は約2700万人。 農場や工場で働かされたり、危険な仕事や売春、ポルノ産業に従事させられている。

●親子代々、奴隷という人もいる

奴隷にさせられているのはどういう人たちだろう?
いちばん多いのは借金奴隷だ。世界で約2000万人が、 多額の借金を負わされて、働かされている。利子がものすごく高くて、 給料はほんのわずかだから、いくら働いても借金は増える一方。 親が返しきれなくて、その子どもまで奴隷にさせられる例もある。
もうひとつの奴隷は強制労働だ。かせぎのいい仕事があるからとだまして、 大都会や外国につれていき、逃げられないようにして奴隷にしてしまうんだ。
アラブ首長国連邦でラクダレースの騎手をさせられていた少年は、 4歳のとき、バングラディシュからさらわれてきた。体重を軽くするため、 食事も水もほとんど与えられなかったという。

●奴隷は1人1万円強で売り買いされている

かつて、アメリカ南部の農園で、 アフリカからつれてこられた黒人たちが奴隷として働かされていた。 かれらはいまの奴隷よりはよかったかもしれない。 人が物のように売り買いされるのだから、よくはないけれど、当時の奴隷は、 いまのお金に換算すると1人4万ドル(464万円)もしたので、 病気になれば治療するなど大切にあつかわれていたんだ。
でもいまは、奴隷の平均価格はわずか90ドル(1万円強)。 安く売り買いされ、使い捨てにされている。
国際社会が協力して、奴隷を許さない世の中をつくりあげていかなければならない。 みんなが自由にならない限り、だれも自由ではないのだから。

11.毎年、西欧向けに人身売買される女性は12万人


12.貧困家庭の子供は、豊かな家庭の子供に比べて、3倍も精神病にかかりやすい

「みんなで考えよう 世界を見る目が変わる50の事実」より

ジェシカ・ウィリアムズ 著 草思社

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