◆ この活動は、どのようにして始まったのか?
ドンドンドンドン「マダム、大丈夫か? 何も問題はないか!」
南インドにあるホテルに滞在中、朝8時40分過ぎ、激しく叩くドアノックの音に何ごとかと飛び起きた。
なぜ「大丈夫か?」なのか見当もつかないまま、とりあえず「OK」だと答えた。 前日からたて続けに起こっているハプニングが、朝まで引きずっているのかと溜め息をつきながら、
朝10時の約束にはまだ早かったが、出かける支度をはじめた。
まさかその後に、未曾有の大災害が目の前で起こっていたことを知るとは思ってもみなかった。
この日は忘れもしない2004年12月26日『スマトラ沖大地震』による津波被害が起こった日。それは、
宿泊先のチェンナイ市内近郊の海岸にも及んでいた。
地震発生7時59分、津波直撃8時35分。その直後、ホテルのスタッフによる宿泊客の安全確認が行われたようだった。
◆ なぜインド中心の支援活動なのか?
途上国での貧困の連鎖をストップさせるためには、 子どもたちに教育とそれを活かす職業訓練を受けさせること。
それにより職の確保がスムーズにでき、国の財源を安定させられ、 次世代の子どもたちに遺伝的貧困を伝承させないことが 最重要課題だと考えられている。
そのことが近い将来、現実化しやすい国という意味で、 ギビング・ハンズではインドとその近隣国への活動に焦点が当てられている。
支援している孤児院でよく会う、スウェーデン人の福祉士に、 「あなたの活動はインドだけですか? アフリカはもっと悲惨ですよ!」と 問われたことがある。
もちろん考えていないわけではないが、 インドという国の秘められたパワーを考えると、 ほんの少しの援助で大きく飛躍できる可能性がある この地域をまず手がけることで、 間接的に他国への影響も大きく広がるだろうと考えている。