みんなで考えよう!世界を見る目が変わる12の真実
●だまされて戦闘員にされる子どもたち
君たちは学校に行き、友だちと遊び、スポーツをしている。
ちょうどおなじときに、世界には、誘拐され、家族や友だちにも会えず、
ひどい仕打ちを受け、戦地でむりやり戦わされる子どもたちが、30万人もいる。
33の国で、政府軍、ゲリラ軍の両方が、
18歳未満の子どもを兵士として使っている。
最初は、家族とはぐれ貧しい子どもたちに、「食べ物をやろう」「保護してやろう」と誘い、
軍に引きずりこむ。荷物運びやスパイから始まって、銃が持てるようになると、
すぐに戦闘員にさせられる。地雷があるかどうか確認するため、
先を歩かされることもある。
女の子だって、兵士にされる。スリランカでは、
ゲリラ軍がタミル人の少女たちをむりやり仲間にしている。
少女は警備の網をくぐりぬけやすいので、「自由の鳥」と名づけられ、
自爆兵として訓練を受けたり、幹部たちの「妻」にもさせられている。
●子ども兵に残る深い心の傷
子ども兵が目にするのは、想像を絶する残酷な光景だ。
カラミはわずか15歳で、すでにいくつもの部隊をわたり歩き、6年もの戦闘経験があった。
あるとき、家を焼き討ちし、仲間と一緒に一家を殺して、
しかもその肉を食べさせられた。カラミは言う。
「ぼくは読み書きもできません。家族の居場所もわかりません。
いちばんつらいのは将来を考えるときです。ぼくの人生は失われてしまいました。
もう生きる希望もありません。夜も眠れません。
眠ろうとすると部隊で目撃したことや、自分がやってきたひどいことを思い出すのです」
国際法には、子どもの徴兵を禁止する法律もある。それは守られていない。
紛争地域の子どもたちになにがおきているか、
わたしたちはしっかり見ていなければいけない。
「みんなで考えよう 世界を見る目が変わる50の事実」より
ジェシカ・ウィリアムズ 著 草思社