みんなで考えよう!世界を見る目が変わる12の真実
●1カ月たった3500円でくらせる?
世界には極端に貧しい人たちがおおぜいいる。どのくら貧しいかというと、
1日の生活費が1ドル未満、1ドルを116円で計算すると30日で3480円、
食費も家賃も入れて、1カ月たったそれだけでくらす。想像できるかい?
そういう人が世界に12億人以上、つまり5人に1人いる。食事も満足にとれない。
子どもたちは学校にも行かずに、働いてわずかなお金をかせぐ。
それでも生きていくのがやっとだ。病気になってもお金がないので、医者にかかれない。
体をこわすと働けず、もっと貧乏になる。
いくら頑張ってもそういう最悪の状態から抜け出せない。
悲しいけど、現在もそういう人たちが地球上におおぜいいるのが現実だ。
●毎月35円を寄付するだけで世界の貧困をなくせる
でも世界で最もお金もちの国ぐにの国民所得の1%を援助するだけで、
これらの人たちを救うことができる。十分な食糧、医療や教育はすべての人に行き渡り、
新生児の死亡率も下がり、病気が広がるのを防ぐことができるんだ。
2000年に国連は、貧困にあえぐ人の数を半分に減らす目標をたてた。
そのために先進国は国民所得の0.7%を貧しい国ぐにに寄付する約束をした。
そんなに大変な数字じゃない。
君が毎日おこづかいを5000円もらうとすると、そのうち35円を寄付すればいいだけだ。
でもこの約束は守られていない。裕福な国ぐにが提供した援助額は、
国民の総所得の0.23%にしかならない。君は11円しか出さなかった計算になる。
●お金もちはますますお金もちに、貧乏な人はますます貧乏に
世界の貧富の差は開くばかり。1960年には、
最も豊かな20カ国の国民1人あたりのGDP(国内総生産)は、
最も貧しい20カ国の18倍だった。ところが1995年には、その差はなんと37倍に広がっている。
お金もちはさらにお金もちに、貧乏な人はさらに貧乏になったことになる。
なんとも不公平な話だ。
地球上から貧困にあえぐ人をできるだけ減らしたほうがいいのは明らかなのに。
「みんなで考えよう 世界を見る目が変わる50の事実」より
ジェシカ・ウィリアムズ 著 草思社