みんなで考えよう!世界を見る目が変わる12の真実
●世界の1年間の自殺者は100万人
人生に絶望して自殺する人は後を絶たない。世界保健機関(WHO)によると、
2000年には世界で約100万もの人が自殺して亡くなった。自殺しようとした人は、
その10倍から20倍はいると推測される。
WHOが報告するこの数字は、世界中の武力紛争で亡くなった人よりも多いそうだ。
どうしてこんなにも多くの人たちが、自殺してしまうんだろう?
自殺の理由は複雑だし、人それぞれちがう。
でも、深刻なうつと関わりがあることがいろんな研究でわかっている。
自殺者の3分の2にあたる人が、自殺をしたときうつ病だったそうだ。
うつはちょっと気落ちしたり、悲しんだりするのとはちがう。うつ病になると、
よく眠れず、食べる意欲もなくなり、悲しみや罪悪感で打ちのめされ、衰弱する。
●「人生は生きるに値する」
WHOでは、2020年には、うつ病が世界で2番目に多い病気になると予想している。
そして、そのころには、毎年の自殺者は150万人にもなるだろうという。
うつ病は、人間関係のもつれ、生活の変化、経済的なダメージなど、
強いストレスがきっかけで発病する。また、人はだれもがうつ病になる可能性がある。
先進国でも途上国でも、老人も若者も。でもきちんと病院に行き、治療を受ければ、
うつ病の約60~70%は治るんだ。
もちろん自殺の原因はうつだけではない。けれど、いずれにしてもまわりの人たちが早く気づき、
手を差しのべ、支えることで、自殺する人を減らすことができる。
詩人で哲学者のジョージ・サンタヤーナという人は「人生は生きるに値するもだという前提ほど大切なものはない。
そう思わなければとても生きていけない」と書いている。
どんなに大変でも、わたしたちはこの前提を信じつづけていきたい。
「みんなで考えよう 世界を見る目が変わる50の事実」より
ジェシカ・ウィリアムズ 著 草思社